私たちが普段口にしている食べ物には、いろいろな栄養素が含まれていますが、そのうち『タンパク質』『糖質』『脂質』の3つは三大栄養素と呼ばれ、私たち人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源となっています。無理なダイエットや偏食など、食生活の乱れが指摘されているだけに、今一度、この三大栄養素の大切さと役割を再認識してみる必要があるでしょう。
無理なダイエットなど
食生活の乱れに要注意!
規則正しい食生活で効率よく摂取
私たちの筋肉や骨、皮膚、臓器、毛髪、血液、酵素、ホルモンなどをつくる原料となるのがタンパク質で、約20種類のアミノ酸が結合してできています。
そして、アミノ酸の中には、体内で合成することができないために、食品から摂取しなければならないものがあります。そうしたアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれ、成人の場合はイソロイシン、ロイシン、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリンの9種類、子供の場合はこれらにアルギニンを加えた10種類があります。
■筋肉、骨、血、ホルモンなどを構成する成分
■生命維持
■体内代謝
■神経伝達物質を生成
■抵抗力アップ
■脳の働きが鈍る
■体力、スタミナの低下
■貧血
■肌荒れ
■抜け毛
■病気に対する抵抗力低下
年齢(歳) | 男 | 女 |
---|---|---|
0〜(月) | 2.6/体重kg | |
6〜(月) | 2.7/体重kg | |
1〜2 | 35 | |
3〜5 | 45 | |
6〜8 | 60 | 55 |
9〜11 | 75 | 65 |
12〜14 | 85 | 70 |
15〜17 | 80 | 65 |
18〜29 | 70 | 55 |
30〜49 | 70 | 55 |
50〜69 | 65 | 55 |
70以上 | 65 | 55 |
妊婦 | − | +10g |
授乳婦 | − | +20g |
この必須アミノ酸のうち、どれか1つでも量の足りないものがあるとタンパク質の栄養価もそのレベルにまでしか達しません。つまり、タンパク質を構成するアミノ酸の種類と量が違えば、タンパク質の栄養価も違ってくるのです。
したがって、肉や魚、卵などに含まれる動物性のタンパク質、あるいは大豆などの植物性のタンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含んでいることから、 “良質のタンパク質”と呼ばれています。
ただ、動物性ばかり摂取していては、コレステロールの摂り過ぎにもつながりかねません。かといって、植物性だけでは、栄養が偏ってしまいます。ですから、動物性と植物性のタンパク質をうまく組み合わせて摂取することが必要になります。
タンパク質は、1g当たり4kcalのエネルギー源となり、1日の所要量は成人の場合、男性で約70g、女性で約60gとされています(詳細は左図参照)。
過剰に摂取すると、タンパク質が体外に排出される際に大量のカルシウムが必要となるため、骨粗鬆症の原因となりかねません。また、痛風発作や肥満、尿毒症、神経過敏症の増悪などを招くことも。
一方、摂取量が少ないと、脳の働きが鈍ったり、スタミナが低下して体力が衰えてきたりします。さらに血液の中に蓄えられていたタンパク質が減少して貧血を引き起こすほか、肌荒れ、抜け毛などの原因になる恐れもあります。
肉や魚、大豆などには必須アミノ酸がバランス良く含まれている
※病気の治療や改善方法など医療行為に該当するご質問やお問い合わせ、医療機関のご紹介にはお答えしかねますので予めご了承ください。
Copyright(C) HOME MEDICINE NEWS PAPER. All Rights Reserved.