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アミノ酸を効果的に利用し より健やかに、より美しく

最近、「アミノ酸」が注目を集めていますが、これは体内でさまざまな、重要な働きを持っていることが、改めて見直されてきたためです。新聞や健康雑誌、テレビ・ラジオの健康番組で、よく「筋力アップ」、「持久力アップ」、「疲労回復力アップ」、「免疫力アップ」、「脂肪燃焼アップ」といった話題が取り上げられる機会が多いですが、これらの働きにアミノ酸が深く関係しています。最近では、アミノ酸の一種・フェニルアラニンが気分の落ち込みや記憶力に関係していることが明らかになるなど、体だけでなく、脳や精神状態にも働きかけることが、わかってきました。アミノ酸といえば中学や高校の生物の授業で登場するなど、比較的よく知られている存在ですが、実際はどのような働きをしているのか、あまり知られていません。そこで今回のすこやかネットでは、アミノ酸の働きを中心に特集しました。

タンパク質の摂取はアミノ酸の補給につながる

生物が生きていくために最も重要な栄養分はアミノ酸から合成されているタンパク質です。人間は水以外にデンプンや脂肪だけを食べていると長く生きていけませんが、最低量のビタミン数種があれば、タンパク質だけでも、比較的長く生きていられることからも明らかです。
人間が食事からタンパク質を取り入れるのは、体に必要なエネルギーをつくるためであり、もう1つは体のタンパク質をつくるための原料として、アミノ酸を取り入れるためです。成長中の子供は体が大きくなるために、どんどんタンパク質がつくられなければなりません。大人は体を維持するためにタンパク質が必要なのです。タンパク質は体内で合成され、常に新しいものと入れ替わっているために、その材料としてアミノ酸の補給は不可欠なのです。
人間の体は体重の約16〜20%がタンパク質で、脳、内臓、筋肉、血管、血液中の赤血球、皮膚、爪、髪の毛などもすべて、数万種の互いに違ったタンパク質で構成されていて、例えば肝臓だけでも1万種の異なったタンパク質が存在するとされています。また、食事から摂取した栄養素は、微量の酵素によって体内で化学的な反応を受けますが、3,000種ほどある酵素も、原料はやはりタンパク質です。

体内で合成・分解されるアミノ酸

私たちの体の中にはタンパク質を構成しているアミノ酸とは別に、それぞれのアミノ酸がバラバラの状態で常に蓄えられています。これらのアミノ酸はビタミンやホルモンをつくる材料として使われたり、タンパク質を合成するために使われています。そして不要になったアミノ酸は分解されて、炭酸ガス、水そしてアンモニアになります。アンモニアは毒性が強いので、肝臓で無害な尿素になったあと、尿として体外へ排泄されます。

必須アミノ酸と非必須アミノ酸

人間の体を構成する20種類のアミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2つに分けることができます。この20種類のアミノ酸はそれぞれに働きが異なります。
この中で、必須アミノ酸は体内で合成できないことから、食事で必ず摂取する必要があります。しかし、よくしたもので、これらの必須アミノ酸は自然界のさまざまな動植物の中に含まれており、したがって自分でつくることはできなくても、私たちは肉や野菜、果物など、いろいろなものをバランスよく食べることで、これらのアミノ酸を外から補うことができるのです。また非必須アミノ酸は、日常、私たちの体内でつくられ、重要な役割を果たしています。

  アミノ酸名 働き 生理活性
必須アミノ酸
(体内では合成されず、
体外からの摂取が必要)
バリン スタミナアップ ロイシン、イソロイシンとともに筋肉や肝臓に働きかけて、筋肉で代謝され、エネルギー源の強い昧方になる。
また脳の神経伝達物質の前駆体の取り込みに作用し、神経系の機能を促す。
疲労回復
免疫力アップ
ロイシン スタミナアップ バリンやイソロイシンとともに筋肉や肝臓に働きかけて、筋肉で代謝される。
さらに肝機能を高め、血糖値の調整を助ける。
疲労回復や筋力アップに効果がある。
疲労回復
免疫力アップ
イソロイシン スタミナアップ 神経の働きを助ける。バリンやロイシンとともに筋肉や肝臓に働きかけ、筋肉で代謝される。
疲労回復や筋力アップに効果がある。
健脳効果
免疫力アップ
疲労回復
ヒスチジン 成長促進 成長に関与するとともに、神経機能などに働きかけ、食欲中枢に作用したり、体内の脂肪の燃焼を促すなど、組織の成長と修復に重要な作用がある。
免疫力アップ
冷え症改善
ダイエット
トリプトファン 健脳効果 ビタミンB群の機能を助け、成長ホルモンの分泌を促し、食欲増進や疲労回復にも効果があるとされる。
ナイアシンや脳内精神安定物質・セロトニンの原料となる。
不眠症改善
スキンケア
疲労回復
鎮静効果
メチオニン スキンケア 脂肪の代謝に関与する。血中コレステロール値を下げたり、活性酸素を取り除く作用がある。
また肝臓の解毒作用、ヒスタミンの血中濃度を下げる働きが報告されている。
脂肪燃焼
コレステロールの上昇抑制
フェニルアラニン 健脳効果 気分の落ち込みや記憶力に関係し、神経伝達物質を生成する働きがある。
チロシン(非必須アミノ酸)の原料となる。
記憶力改善
精神高揚
リジン ダイエット ブドウ糖の代謝促進やカルシウム吸収、肝機能向上などの作用がある。
集中力や気力を高める。
不足すると脂肪燃焼低下、慢性疲労、視覚障害、貧血などの原因となる。
スキンケア
疲労回復
筋力増強
スレオニン スキンケア 腸の働きを高め、消化吸収をよくして、新陳代謝を促す。
また肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝になるのを防ぐ。
不足すると貧血、成長阻害が起きる。
新陳代謝・成長促進
肝機能促進
非必須アミノ酸
(体内でつくることができる)

アルギニン

筋力アップ 成長ホルモンを合成し、増量し、筋肉の成長を促す。
免疫、体脂肪、筋肉などに働きかける。
不足するとシワや筋力低下の原因となり、また性障害や不妊症を起こしやすくなる。
(大人の場合は体内で合成されるため必須アミノ酸ではないが、乳幼児の場合は体内で合成されないため、必須アミノ酸となる)
健脳効果
ダイエット
免疫力アップ
アスパラギン酸 イライラ解消 体内の窒素代謝やエネルギー代謝を促し、体内の老廃物の処理、肝機能の促進、疲労回復の作用がある。
尿の合成を促す。
皮膚に対しては、代謝賦活作用があるとされる。
疲労回復
スキンケア
利尿作用
肝機能促進
グルタミン 疲労回復 筋肉のタンパク質の合成促進、胃や小腸などの消化器官の機能維持や構造を保つための主要なエネルギー源となる。
不足するとかぜをひきやすくなる。
筋力アップ
スタミナアップ
免疫力アップ
プロリン スキンケア 脂肪を燃焼させる働きを持つ。
植物に多く含まれ、光合成の機能を高めて、糖の生産量を増加する。
ダイエット
疲労回復

システイン

スキンケア アルコールなどの分解の際に発生する有害物質を解毒し、細胞の酸化を防ぎ、組織や粘膜を保護する働きがある。グルタチオンの原料となる。
免疫力アップ
セリン 疲労回復 皮膚の潤いを保つ天然保湿因子の主成分で肌の老化を防ぐ。
また脳の代謝を促進し、記憶、神経系の機能を高め、脳の老化を防ぎ、ボケ防止にも効果的。
スキンケア
免疫力アップ
健脳効果
アスパラギン 疲労回復 カリウムやマグネシウムに結びつくことで、それらの栄養素を細胞内に取り込みやすくする働きがある。
新陳代謝を高め、体力アップ、疲労回復、美肌に効果がある。
免疫力アップ
スキンケア
アラニン 脂肪燃焼 アルコール代謝を促進し、肝機能を保護する。
またインスリンの分泌を促したり、脂肪分解酵素を活性化させる。
アルコールの代謝促進

チロシン

健脳効果 脳の神経伝達物質の前駆体になるので、脳の働きを助け、痴呆症の予防に役立つとされる。またストレス緩和や細胞の老化抑制に作用する。
皮膚や髪の毛の色素であるメラニンを生成する原料となる。
スキンケア
グリシン 不眠改善 脳に作用して血管を拡張させ、表面体温の上昇を促すことで体内の熱を放出し、深部体温を下げ、自然な睡眠に導く。さらに睡眠の質も改善する。
また保湿作用、抗酸化作用により肌の潤いやハリを保つ。
スキンケア
グルタミン酸 健脳効果 脳の代謝を促進し、精神を安定させたり、知能を高める効果があるとされる。
また尿の合成促進、アルコール依存症の改善、潰瘍の治癒を早める働きがあるとされている。
疲労回復
二日酔い防止
情報提供:(株)家庭薬新聞社

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