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Vol.23

八面六臂の大活躍 第6の栄養素食物繊維

食べ物から得られる栄養素のうち糖質、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミンは5大栄養素といわれ、私たちの体にとって大切な役割を担っていますが、これに加えて『第6の栄養素』と呼ばれるものがあります。それが“食物繊維”。かつては、便通をよくするぐらいにしか見られていませんでしたが、現在では、動脈硬化や胆石の予防に加え、腸内でのガン細胞の発生を抑制したり、発ガン物質をはじめとする有害物質を体外に排出する働きを持つことなどが認められています。 そこで今回は、数ある栄養素の中から、この食物繊維を取り上げ、これら八面六臂の活躍ぶりを探ってみることにしましょう。

肥満防止に役立つ食物繊維・便と一緒に有害物質を排泄

きんぴらごぼう(左上)、切り干し大根(右上)、ひじきの煮つけ(中央下)などといった、いわゆる“おふくろの味”こそ、食物繊維の宝庫。皆さんも積極的に、チャレンジしてみては?

食物繊維とは、一言でいえば体内で消化されないもの。もう少し具体的にいうと、人間の消化酵素で分解されない食物成分のことを指します。したがって、胃や小腸で消化・吸収されずに、そのまま大腸にまで到達し、やがては便となって体外へ出ていくのです。
食物繊維は大きく分けて、水に溶けるものと溶けないものとがあります。いずれも、水分を吸収して膨張するという特徴を持っているので、体内に摂取しても食べ物のかさが増え、満腹感が感じられます。ですからダイエットのため、無理に食事の量を減らさなくても、これを含む食材を食事の中に取り入れていけば、エネルギーを摂り過ぎることもなく、肥満防止に役立てられます。
また、●発ガン物質などの有害物質を吸着して体外に排出する●腸内の善玉菌を増殖させ、発ガン物質が生まれにくい環境を作るといった働きがあることもわかっています。
一方、この2種類は、それぞれ別々の特徴や働きを持っていることも知られています。それでは、各部類ごとに見ていくことにしましょう。


水に溶けるもの

コレステロールを除去し動脈硬化予防・大腸の蠕動(ぜんどう)運動を高め、排便を促進
高野豆腐もお勧めの一品
食物繊維を含む食品を単品で摂るよりも、いろいろな種類を組み合わせた方がより多く食物繊維を摂れます。
ほうれん草・豆腐・しめじ・にんじん・こんにゃくを取り合わせて和えたもの。
豆と昆布を煮たもの。

腸内の余分なコレステロールを吸着して、便と一緒に排出してくれます。そのため、血液中や胆汁に存在するコレステロールの割合が低くなり、結果、動脈硬化や胆石の予防につながります。
このほか、水分をため込んで、かさを増やすという働きもあります。そのため、食べ物の消化・吸収をより効果的に行い、大腸の蠕動運動(胃腸内の消化運動のこと)が高まる結果、便の排泄を促してくれます。

主な成分
●グルコマンナン
こんにゃくに含まれている。胃で消化されないまま腸内にたどり着くため、腸の働きが盛んになる。そうなると、腸内の老廃物を吸収して体外に排泄する作用が促進されるので、便秘の解消にも役立つ。
●アルギン酸ナトリウム
昆布、ワカメなどの海藻類に含まれている。これらを水につけた時、ヌルヌルとした状態になるのは、この成分が含まれているから。
●ガム質
豆のサヤなどに含まれている。

水に溶けないもの

腸内で水分吸収するため便秘解消に・排便スムーズ、大腸ガン予防に一役

腸内で水分を吸収して大きく膨らむので、便のかさが大きくなります。そうなると、腸内が刺激されて蠕動運動が盛んになるほか、水分を含んでいるので、便を柔らかくしてくれます。食物繊維が排便を促し、便秘を解消してくれるのは、こうした働きを持っているためなのです。
ところで、高脂肪や高タンパク中心の食事を続けていると、腸内に発ガン物質が生まれやすいとされています。そこで、冒頭でも触れた、発ガン物質などの有害物質を吸着して体外に排出するという作用が、効果を発揮してくれるのです。つまり、食物繊維の摂取によって排便がスムーズになれば、腸内に止まった有害物質が便と一緒に体外に出ていくというわけです。これが、食物繊維が大腸ガンの予防にも一役買っているといわれるところです。

食物繊維を多く含むさつまいもは便通をよくするのに効果的。おやつ代わりに食べるのもいいですね。
主な成分
●セルロース
野菜、さつまいも、玄米、黒パンなどに含まれている。
●ヘミセルロース
精白していない穀物などに含まれている。
●リグニン
ごぼうなどに含まれている。近年、ガン細胞の発生を抑制する働きを持っていることが確認された。
●キチン
エビやカニの甲羅などに含まれている。

リンゴ等に含まれるペクチン−便秘、下痢に◎

このほか、水に溶けるものと溶けないもの、両方の部類に属するものの1つに、リンゴやバナナなどに含まれるペクチンと呼ばれるものがあります。この成分は、腸内で水をたくさん吸収するので、硬くなろうとする便を軟らかくし、排便をスムーズにしてくれます。したがって便秘の解消・予防に役立ちます。
逆に、下痢を抑える働きも担っています。それは、腸内をあまり刺激せず、腸壁を保護するという作用があるからです。
ちなみに、皆さんがよくパンにつけて食べるものにジャムがありますが、あのようなドロッとした状態になるのは、原料となる果実にペクチンが含まれているからなのです。

リンゴやバナナを食べれば、腸内も“快腸
●リンゴの食べ方一工夫
リンゴを食べる際は、皮をむいて食べるより、皮ごと食べるのがベター。なぜなら、ペクチンは実よりも皮に多く含まれているからです。また、そのまま食べるのも結構ですが、できればすりおろして食べたいもの。便秘にも下痢にも効果を発揮するペクチンの整腸作用がより高まります。特に下痢を起こした時にはお勧めです。
ちょっと横道
便秘のメカニズム

便秘とは、便が硬くて排出しにくい状態のことだといわれています。では、硬くなった便を軟らかくするにはどうすればよいのでしょうか。それには、水分の摂取が必要です。
水分は大腸で吸収されますが、その水分はどこからくるのかというと、消化した食べ物なのです。しかし、水分をあまり摂らないでいると、便から水分を吸収することになり、便はさらに硬くなってしまいます。
そうなると、先に記したように便が排出しにくくなってしまい、やがては便秘へとつながっていくのです。

水分摂取には食物繊維

こうしたことから、水分を充分に摂ることが便秘解消(予防)のまず第一歩といえるでしょう。ただし、自分ではたくさんの水分を摂っているつもりでも、大腸内では、すぐさま腸壁から吸収されてしまいます。
そこで、食物繊維の持つ働きを借りるわけです。つまり、食物繊維を摂取すれば、腸内で水分を吸収して大きく膨らむので、便が軟らかくなり、排便が促されるのです。

Vol.23

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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