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Vol.14

『疲労』を考える

われわれは日々の仕事や生活の中で「疲労」を感じ、それに悩まされています。「疲労」には「体の疲労」と「心の疲労」がありますが、いずれも身体に影響を及ぼし、日常生活にも支障を来たしています。ライフスタイルや毎日の食生活、睡眠状態、さらには職場などの人間関係などが「疲労」を招く要因ともなっているようですが、今日、いかに「疲労」を防ぐか、いかに「疲労」を取り除くかは、健康な生活を営む上で重要な課題となっています。今回のすこやかネットでは、この「疲労」にスポットを当ててみました。

疲労の症状

筋肉が固まって起こるこりと痛み

人間の筋肉は、常に収縮と弛緩を繰り返していますが、疲労が溜まると筋肉が収縮したまま固まった状態になってしまいます。特に上半身の筋肉が硬くなります。筋肉が固まって柔軟性がなくなることによって、こりや痛みという症状が出てくるわけです。
この状態は腰や背中から始まり、次第に肩へと上がって肩こりになり、さらに悪化すると、首筋、後頭部へと痛みの範囲が広がっていきます。
また腰から上がってきた痛みは、やがて頭にも達して、頭痛の症状となって出てきます。人によっては肩や背中の痛みをほとんど感じずに、頭痛だけに悩まされるケースも見られます。
こうした疲労からくる頭痛は、筋肉が固まって起こる筋収縮性の痛みの一種で、こめかみや前頭部などがズキンズキンと痛む片頭痛とは痛みが異なります。
筋収縮性の痛みの特徴は、後頭部から耳の後ろや頭のてっぺんを締めつけられるように感じたり、押さえつけられるような痛みを感じるため、痛みを抑えようとして、患部を冷やすと筋肉がよけい硬くなって、痛みが増したりするので注意が必要。疲労の蓄積が進むとともに、頭痛の頻度が多くなります。

耳鳴り

疲労の蓄積が初期を超え、中期段階に入ると、耳鳴りの症状が現われます。
実際に音がしていないのにキーンという高い音や、こもった低い音が聞こえる状態を耳鳴りといっていますが、疲労による耳鳴りの場合、最初は就寝前に起こる程度ですが、さらに進行すると、夕方から夜にかけてつづくようになります。疲労度がかなり進むと、1日中耳鳴りがするようになります。
一般的に、耳鳴りは耳の異常と考えて耳鼻科を受診しますが、疲労からきている耳鳴りの時は異常なしと診断されることも少なくありませんので、疲労の蓄積を疑う必要があります。

目の痛み

目が疲れてしょぼしょぼするといった症状の場合、たいていは目の使い過ぎだと考えます。そして目を休めたり冷やしたりしますが、症状が一向に改善しないことが多々あります。これは、目の疲労が体全体の疲労の症状として現われてきているからなのです。
初期の段階では、目がしょぼしょぼする程度で済みますが、疲労の蓄積が起こると、今度は目の奥が痛くなります。そして目の焦点が合わなくなって目がかすんだり、ものが二重に見えてきたりしてしまいます。
こうした症状は、目のまわりの筋肉が肩こりなどの場合と同じように固まって動かなくなっているために起こっています。そこでは筋肉の柔軟性が損なわれているので、目のレンズの調節がうまくいかなくなっているのです。

動悸、めまい

動悸やめまい、立ちくらみなどがする場合、普通は心臓の病気を疑いますが、受診しても異常なしとされるケースがしばしば見られます。
体に蓄積した疲労は、心臓にも影響を及ぼすことがあるのです。疲労によって、循環器系の調節機能に障害が生じているため、そうした症状を来たしているのです。
また動悸やめまいの場合、高血圧症の疑いも出ますが、疲労の症状の1つに血圧の上下動があります。循考環器の調節機能が狂って血圧が高くなったり、低くなったり、正常に戻ったりという変化を繰り返してしまうのです。
したがって、健康診断などで血圧が高いという結果が出ても、すぐに高血圧症と思い込んでしまうのは危険だといえます。

聴覚・臭覚異常

疲労の蓄積が中期以降になると、聴覚が異常に敏感になり、今まで気にも止めていなかった音が耳障りになったり、イライラしたりする聴覚の過敏症状がよく見られます。
人ごみに出た時に、これまで気にもならなかった周囲の音をうるさく感じるようになり、さらにはドアの開閉音や家族の会話なども耳に響くようになったりします。
また臭覚も、聴覚と同じように敏感になる傾向があるようです。特に台所の生ゴミや生ものの臭いは、臭覚が敏感になると、一番気に障るものなので、疲労の蓄積の初期段階として注意した方がよいでしょう。この症状が進むと、普通の人なら気づかない遠くの臭いまで感じてくるようになるようです。

けいれん

肩こりや痛みと同様に疲れが溜まったために、筋肉が固まって起きてくる症状の一つに、体のあちこちが引きつったように、ピクピクとけいれんすることがあります。
目もとや口もとによく起きますが、目のまわりや口もとなどの顔面のけいれんは、自分では見えないところなので、周囲の人のアドバイスが何より大切です。
こうしたけいれんは、やがて手足にも及んでくるので、体のあちこちが頻繁にピクつくようになったら、かなり危険な状態といえます。

しびれ、むくみ

しびれやむくみといった症状も疲れによって筋肉が固まることで発症するものです。当初は指先に違和感があるぐらいですが、やがて手の指先にしびれやむくみを感じるようになり、さらに進行すると足にもしびれやむくみが起こり、指先の感覚がなくなるように感じる時もあるようです。
こうした症状が慢性化してくると、仕事などの日常生活にも支障を来たし、気持ちが落ち込んでくるので、早めの手当が望ましいといえます。

微熱、吐き気

疲労の蓄積は、体温の調節機能を弱めるため、37℃前後の微熱がつづくことがあります。疲労からくる微熱の場合、頭がボーッとして集中力がない、フラフラして転ぶ時がある、階段でよろける、椅子などに座ると立ち上がるのが辛い−といった症状を伴うのが特徴です。集中力がなくなったり、よくよろけるようになったら、要注意です。
また酒を飲み過ぎたわけでもないのに吐き気がする、かぜでもなく、消化器系に異常がないのに吐き気がするなどの場合も、疲労の症状からきている可能性がありますので、長くつづく場合は内科の診察を受けるとよいでしょう。

怒りっぽくなる

体の疲労は身体だけでなく、精神面にも影響を及ぼします。頭がボーッとしたり、ど忘れ、単純ミスなどが増えてきた時は、体が疲れてきた証拠でもあります。また最近怒りっぽくなって、家族や部下をやたら怒鳴りつけるようになっていたら、疲労が原因です。疲れているために忍耐力が衰えてきたのです。ほかにも、近頃、性格が変わったとか、短気になったなどと指摘を受けたら、疲労を疑ってみることが大切です。
疲れの蓄積がさらに進むと、決断力が鈍り、仕事に支障を来たすことにもなりかねません。

Vol.14

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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