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Vol.10

食用油の上手な使い方

肉類等に含まれる脂(あぶら)をはじめ、ラードや紅花油など、いわゆる「あぶら」は、私たちの食生活に深く浸透しています。しかし、健康志向の高まりに伴い、あぶら、つまり脂質の過剰摂取が肥満や動脈硬化などを招くとして問題視され、今や私たちの健康維持にとって“悪者”扱いされている嫌いがあります。確かに、脂質の摂り過ぎは、肥満をはじめ、生活習慣病を招く危険因子ではありますが、だからといって極端に摂取量を減らすのは考えもの。なぜなら脂質は、私たちの体のエネルギー源として本来、必要不可欠な栄養素だからです。要は、「あぶらを摂らない、使わない」ではなく、あぶらといかにうまく付き合うかがポイント。そこで今回は、あぶらの中でも食用油を取り上げ、健康を損なわないための上手な使い方を探ってみました。

脂質は本来、体に不可欠な栄養素

私たちが日常、口にする「あぶら」には、大きく分けて“見えるもの”と“見えないもの”があります。

見えるものといえば、ラード(豚脂)やヘット(牛脂)、パター、あるいはオリーブ油や紅花油、大豆油など俗にいう油脂類。一方、見えないものは、肉類や魚介類、乳類、卵などに含まれるもので、これら見えるものと、見えないものを総てひっくるめて「脂質」と呼んでいます。

そもそも脂質は、三大栄養素の1つであり、私たちの体の健康を保つためには不可欠なものです。では、体内でどんな働きをしているかというと、まず挙げられるのが、エネルギー源としての働き。脂質と同様、エネルギー源として使われる糖質だと、1gに約4kcalのエネルギーしか得られないのに対し、脂質からは1g当たり約9kcalのエネルギーを得ることができます。

また細胞膜や核膜などを構成する成分となるほか、ステロイドホルモンの原料になったり、ビタミンA、D、Eなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けて体内に蓄えたりするなど、私たちの体にとって、とても重要な役割を担っているのです。

脂肪酸の種類を見極める

脂肪酸の種類

こんなにも大切な脂質ではありますが、やはり過剰に摂取すると、肥満を招くなど私たちの体にいろいろな弊害をもたらすのは事実です。しかし、かといって脂質を摂らないでいると、せっかくの大切な栄養素を得る機会が失われてしまうことに。

そこで、こうした問題をクリヤーするカギとなるのが、脂質の主な構成成分である脂肪酸の種類。いくつかのタイプに分類される脂肪酸の中には、私たちの体にとってむしろ良い影響をもたらしてくれるものも存在するのです。

したがって、食用油を用いる際には、量だけでなく、含まれる脂肪酸の種類を見極めることが肝心です。

脂肪酸は、水素、炭素、酸素からできていますが、その結合の仕方の違いによって左の図のように大きく分かれ、それぞれの脂肪酸が異なった割合で食品に含まれています。

では、どの食用油に、どんな脂肪酸が含まれているのか、主なものを見ていくことにしましょう。

過剰摂取に要注意な飽和脂肪酸

まず飽和脂肪酸を多く含んでいるのが、ラードやヘットなどの動物性油脂。オリーブ油などの植物性油脂にも含まれていますが、その量は動物性に比べれば、半分以下です。

ところで、肉類にも多く含まれている飽和脂肪酸は、過剰に摂取すると、コレステロールや中性脂肪の増加につながりますが、その一方で、飽和脂肪酸には、人間の体内に入ると凝固しやすくなるという性質があります。

そのため、脂肪の多い肉を食べると、数時間後には脂肪が固まって血液の粘度が高くなってしまうのです。すると、血液がスムーズに流れにくくなるので、血液によって送られてくる酸素や栄養が充分に行き渡らなくなり、疲労感などを生じさせる結果に。したがって、スポーツや力仕事をする前に、スタミナをつけなければ―と肉をたくさん食べるのは、かえって止めた方がいいでしょう。

飽和脂肪酸の1つであるパルミチン酸が含まれている食用油

植物性油脂

体内のコレステロール値を下げる不飽和脂肪酸が多く含まれている。ただし高カロリーなので、やはり摂り過ぎには注意したい。

菜種(キャノーラ)油=アブラナ科植物の種子から取った油。幅広く料理に使われており、オリーブ油の次にオレイン酸の含有量が高い。

紅花(サフラワー)油=紅花の種子から取ったもので、食用油の中では最も多くのリノール酸を含む。しかし、酸化されやすいので、揚げ物や炒め物などの加熱を要する料理には向いていない。

オリーブ油=原料はオリーブの果肉で、オレイン酸の含有量が一番高い。このうち精製していないものをバージンオイルと呼ぶなど、製法等によっていくつかの種類に分かれる。

サラダ油=オリーブ油や綿実油など、数種類の油を混ぜ合わせて作られたもの。リノール酸を多く含む。

動物性油脂

悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす飽和脂肪酸が多く含まれているため、摂り過ぎには要注意

ラード=原料は豚の脂肪。揚げ物や炒め物に使うと、さらに風味が増す。

ヘット=牛の脂肪が原料で、ステーキや、すき焼きなどに使うのがお勧め。しかし、冷めると固まりやすくなり、舌触りも悪くなる。

バター=牛乳に含まれる乳脂肪から作られるもの。ビタミンA(レチノール)を含み、料理にコクと風味を与える。

Vol.10

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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