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Vol.63

現代の食生活では不足しやすいミネラル「亜鉛」細胞新生、新陳代謝、生命活動維持に大切な役割

亜鉛は、たんぱく質の合成や骨の発育などに欠かすことのできない必須ミネラル。普通に食事をしていれば不足する心配はありませんが、実際は、食品を加工する過程で失われることが多く、インスタント食品やファーストフードに偏った食生活、極端なダイエットをしていると不足しがちで、健康障害を招く恐れも予想されることから意識的に摂取したいミネラルの一つです。

主な生理機能(働き)

  • 細胞分裂を正常に保ち、肌荒れ、抜け毛、爪の異常を防ぐ
  • 味覚、嗅覚を正常に保つ
  • 子供の発育促進、大人の新陳代謝を助ける
  • 傷の治りを早くする
  • イライラや落ち込みを解消

亜鉛が不足すると

  • 肌荒れ・シミが目立つ=亜鉛が減ると、細胞の分裂や再生がうまく行われなくなり、肌が荒れてくる。
  • 爪が変形・変色したりする=亜鉛が減ると、たんぱく質の合成がうまくできなくなるため、爪の伸びが遅れたり、伸びても割れやすくなる。
  • お酒に弱くなる=亜鉛は肝臓でのアルコールの分解を助けるので、亜鉛不足になると、お酒に弱くなり、二日酔いになりやすい。
  • 抜け毛が多い=亜鉛不足で、髪の毛の成長が遅くなったり、切れ毛や抜け毛を起こすことがある。
  • すり傷が治りにくい=亜鉛の欠乏で傷の回復が遅くなる。
  • 立ちくらみ=亜鉛不足が慢性化すると、貧血が起こりやすくなり、血圧調整がうまくいかず、立ちくらみなどが起きてしまうことがある。
  • 子供の成長が遅れる=細胞分裂が活発な成長期の子供には亜鉛は不可欠。亜鉛が不足すると身長、体重が正常に増加しない成長遅滞になってしまう。
  • 生理不順=女性の卵子には亜鉛が豊富に含まれていて、欠乏すると妊娠しにくくなるほか、生理不順も多くなる。
  • 疲れやすい=最近、運動選手の疲労と亜鉛との関係が注目され、筋肉中の亜鉛が減ると、筋肉の収縮力が弱まり、疲労が強まるとされている。
  • 味覚障害=亜鉛が不足すると、味覚障害を起こすことがよく知られている。

亜鉛の推奨量と摂取量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によると、亜鉛の1日の摂取の推奨量は18~69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、18~69歳の女性で8mg、70歳以上女性で7mgとされています。(妊婦は+2mg、授乳婦は+3mg

※通常の食事では亜鉛の過剰摂取の可能性は低いものの、耐容上限量として18~29歳の男性で40mg、30~69歳の男性で45mg、70歳以上の男性で40mg、18歳以上の女性で35mgとされています。

亜鉛を多く含む食品としては、牡蠣やうなぎなどの魚介類、肉類、藻類、野菜類、豆類などが挙げられます。

亜鉛を多く含む食品(可食部100g当たり)
(文部科学省の「日本食品標準成分表」参照)
亜鉛はビタミンCと同時に食べると吸収率が良くなる性質があります。カキにレモンなどを添えると、おいしいし吸収率もアップするので最高の組み合わせです。

亜鉛と糖尿病

私たちの体は、食べ物によって取り込んだ血液中のブドウ糖 (血糖) を主なエネルギー源として、生命を維持したり、毎日の活動を行ったりしています。そのブドウ糖を細胞、特に肝臓、筋肉、脂肪細胞の中に取り込む時に、インスリンが必要になってきます。
インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。その化学構造は、1956年にイギリスの分析化学者フレデリック・サンガーが決定し、1958年にノーベル化学賞を受賞しています。
「ヒトインスリンのアミノ酸配列」を見ると、インスリンの構造中に亜鉛は存在していませんが、さまざまな研究データからインスリンと亜鉛には何らかの関係があることが示されています。
これまで報告された研究で、体内における亜鉛の役割は、インスリンの「生成」「分泌」「効果を引き出す」などに深く関与していることが示唆されています。このため、糖尿病予防のためにも、亜鉛を充分に摂取する必要があります。また糖尿病治療中の場合も、症状を悪化させないためには、亜鉛不足にならないように気をつけることが大切です。
また糖尿病治療に用いるインスリン注射液には、亜鉛が添加されています。インスリン注射の開発の際に、単にインスリンを投与するだけでは充分な効果が得られず、インスリンの注射液に亜鉛を添加することで、製剤中のインスリン構造や効果発現が安定することが見出されています。

Vol.63

情報提供:(株)家庭薬新聞社TEL076-442-3815(代)

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