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Vol.57

日常生活にも支障をきたす疲れ「慢性疲労症候群」に迫る

現代人は、睡眠不足や運動不足などの影響から、慢性的な疲労に悩まされているといわれています。この疲労は充分な休息を取れば解消されるものですが、その一方で、日常生活にも支障をきたす疲労があることをご存知でしょうか?今回のすこやかネットは、「慢性疲労症候群」を特集します。

慢性疲労症候群は、一般的な疲労とは全く違うもので、厚生労働省で診断基準が設けられているれっきとした「病気」です。
しかし、その原因はウイルス感染、免疫・内分泌・代謝異常、精神的な疾患など、さまざまな説があるものの、未だ解明されていません。
普段、われわれが日常生活で感じる疲労と違う部分は

  1. 休養や睡眠をとっても回復しない
  2. 6ヵ月以上、病的な全身疲労感におそわれている

―などが挙げられます。

男性よりも女性に多く発症 真面目で几帳面な人が罹りやすい

主な症状は下記の「厚生労働省の診断基準」で紹介していますが、本人の意思とは裏腹に簡単な作業でさえもできなくなるなど、日常生活に支障をきたす場合もあり、さらにその症状から、うつ病と間違われることも多く、診断が難しい病気ともいわれています。

また、慢性疲労症候群は、20~50代にかけて多く発症し、男性よりも女性に多く見られるのが特徴。その割合は男性2に対して女性8と、4倍もの違いがあるとされています。 性格にも起因している部分があるとされており、特に「几帳面な人」「真面目な人」「正義感が強い人」などは注意が必要。治療法が確立されていない慢性疲労症候群ですが、性格に起因する部分があることからも、精神的な休養は1つの予防法ともいえます。

厚生労働省の診断基準

◎大基準

  1. 生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヵ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
  2. 病歴、身体所見、検査所見で、貧血、糖尿病、ガン、甲状腺障害などの疾患を除外する。

◎小基準

症状基準(以下の症状が6ヵ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)
微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒、咽頭痛、頚部あるいは腋窩リンパ節の腫脹、原因不明の筋力低下、筋肉痛ないし不快感、軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感、頭痛、腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛、精神神経症状(いずれか1つ以上=光過敏、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、混乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ)、睡眠障害(過眠、不眠)、発症時に主たる症状が数時間から数日の間に出現
身体所見基準(少なくとも1ヵ月以上の間隔をおいて2回以上医師が確認)
微熱、非浸出性咽頭炎、リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)または圧痛

慢性疲労症候群と診断する場合―
大基準2項目に加えて、小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たす
慢性疲労症候群の疑いとする場合―
大基準2項目に該当するが、小基準で診断基準を満たさない

《上記の基準は厚生労働省(旧厚生省)の研究班が平成7年に慢性疲労症候群診断基準として示したもので、対象患者を厳格にふるい分けるために作られた側面も強く、実際の診断においては基準の緩和が必要とする意見もあります》

漢方薬では補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が有効

慢性疲労症候群の治療は未だ確立されていませんが、うつ病の治療に使われる医薬品が有効とされています。

また、この病気は全身的に症状が出るため、漢方薬が有効ともされています。中でも、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」はその代表格。このほか、六味丸(ろくみがん)や八味地黄丸(はちみじおうがん)も使用されることがあります。

Vol.57

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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