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Vol.35

貧血、免疫強化、メタボ対策などで話題の母乳などに含まれる機能性タンパク質 ラクトフェリン

生まれたばかりの赤ちゃんに母親の「初乳」を与えると、免疫力がついて病気にかかりにくくなるとされています。その免疫力をつける正体が「ラクトフェリン」。赤いタンパクとも呼ばれるラクトフェリンは、母乳中のタンパク質の約10%~30%を占め、母親が生まれたばかりの乳児に微生物、ウイルスなどの外敵から体を守るために与える糖タンパク質の一種。このラクトフェリンが、貧血対策などに加え、最近ではメタボリックシンドロームなどの生活習慣病対策としても期待が寄せられています。

ラクトフェリンは鉄と結合しやすい

ラクト=ミルク フェリン=鉄を運ぶもの

ラクトフェリンは別名、免疫ミルクとも呼ばれ、免疫力をつけたり、有害な細菌から体を守ったりするなどの効果があり、健康維持などに期待されています。ラクトフェリンの「ラクト」にはミルク、「フェリン」には鉄を運ぶものという意味がそれぞれあり、鉄と結合しやすい性質を持っています。このことから、ラクトフェリンは腸内で体の鉄分が不足している時に、腸からの鉄の吸収を促進しますので、鉄分不足が気になるような方にお勧めです。

細菌やウイルスの進入防ぐ

母乳の中にはラクトフェリンのほか、感染を防ぐ物質としてリゾチーム、ラクトペルオキシダーゼ、免疫グロブリンなどの成分が含まれており、それらが共同して細胞やウイルスを予防していると考えられています。これらの母乳成分の中でも、さまざまな働きを発揮する機能性タンパク質として、ラクトフェリンが最も注目を集めています。
ラクトフェリンは母乳以外にも、唾液や涙などの分泌液、粘液、白血球の一種である好中球に存在し、外部から侵入する細菌やウイルスの攻撃を防ぐ防御因子の1つと考えられています。そのほか、健康維持に関わっているさまざまな役割を持つタンパク質としても注目され、国内外の医療機関や企業で盛んに研究が進められています。

赤ちゃんだけでなく、大人の健康も守る


母乳の中でも最初に出る「初乳」に
特にラクトフェリンが多く含まれる。

生まれたばかりの赤ちゃんは心だけでなく体も無垢の状態です。このため母親のお腹から突然出てきた赤ちゃんが、さまざまな病原菌に対抗するのは大変なこと。しかし、そんな赤ちゃんを守るために、出産直後の母乳にはお母さんの体が作り出した抗体成分や免疫力を高める成分がたくさん含まれ、病原菌から赤ちゃんを守ることができるようになっています。ここにラクトフェリンの秘密があったのです。

こうした母から子へ母乳を通して与えられる免疫の仕組みを「母子免疫」といいます。
その仕組みが発見から1世紀近く経った近年になって、免疫学の発達に伴い解明されつつあります。
ラクトフェリンの成分を構成する母子免疫を支える母乳には、低下した免疫力を補い、健康回復を高め、自己免疫疾患の発症を遅らせるなどの効果が明らかになってきました。赤ちゃんの健康を守り続ける母乳は、今や大人の健康を守るラクトフェリンとしても注目を集めているのです。

これまでの実験の結果から、ラクトフェリンには(1)自然免疫の賦活因子(2)単に自然免疫を賦活させるだけでなく、獲得免疫の活性を増幅している(3)実験動物における弱毒性の病原微生物およびウイルスによる感染症を防御する―などの働きがあると考えられています。
そしてラクトフェリンは、ヒトに持続感染している病弱病原体(日和見病原体)による炎症を抑制すると考えられ、老化を抑制して健康長寿を延ばす可能性があるとされています。

Vol.35

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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