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Vol.25

鉄と鉄欠乏性貧血

血液中の赤血球の中には、体内の各組織に酸素を供給するという大切な役割を担っている物質が存在します。それがヘモグロビンと呼ばれるもので、これは、ミネラルの1つである鉄によってつくられているのです。この鉄が、体の中で足りなくなると、いわゆる鉄欠乏性貧血と呼ばれる病気にかかってしまうのですが、この病気は、数ある貧血の種類のうち、9割以上を占めるとされ、特に若い女性の間では4人に1人が、この病気になっているとさえいわれています。そうした現状を踏まえ、今回は私たちが生きていく上で欠かせない栄養素・鉄の働きと、その不足によって起こる鉄欠乏性貧血の発症のメカニズムなどにスポットを当ててみたいと思います。

鉄の1日所要量は成人で10mg、基本は食事からの摂取にあり

さて、鉄欠乏性貧血の治療の基本は食事によって鉄を摂取することにあると述べましたが、これは治療に限らず、鉄欠乏性貧血の原因となる鉄不足にならないための一番の予防法でもあるのです。
では、どれだけの量の鉄を、どんな食べ物から摂ればよいのでしょうか。まず摂取量についてですが、現在、1日の鉄の所要量は成人で10mgとされています。ただし閉経前の女性や、12歳から20歳頃までの成長期にある人は、それより少し多めの12mg。また妊婦さんも多く摂る必要があり、特に妊娠後期では20mg。さらに授乳期の場合も、同様に20mgとされており、これらの数値が1つの目安になるといえるでしょう。
しかし、冒頭でも触れたように、鉄は吸収率の悪い栄養素。そこで、少しでも効果的に食物から鉄を摂取するための方法を以下に紹介します。

食物中に含まれる2種類の鉄『ヘム鉄』と『非ヘム鉄』

食べ物に含まれている鉄には、へム鉄と呼ばれるものと、非へム鉄と呼ばれるものの2種類があります。
へム鉄は肉や赤身の魚、非へム鉄は牛乳や卵、野菜などに含まれているのですが、このうち吸収率が高いのはへム鉄で、その割合はおよそ30%。これに対し、非へム鉄は約7%程度しか吸収されません。
したがって、へム鉄を多く含んだ食べ物を毎日、摂るようにしたいもの。ただし、そればかり食べていては、栄養のバランスが偏ってしまうので、非へム鉄を含む食品であっても、積極的に食べるようにしましょう。その際、へム鉄も一緒に摂ると吸収率の悪さをカバーすることができます。

ビタミンCや タンパク質を 一緒に摂って 吸収率アップ

またへム鉄、非へム鉄のどちらを摂る場合でも、ビタミンCやタンパク質を同時に摂取しましょう。そうすれば、鉄が体内で吸収されやすくなるので、より吸収率が高まります。
さらに、胃酸の分泌がよくなると鉄の吸収率もよくなるといわれています。そこで、胃酸の分泌をよくする酢や梅干し、レモンなどのすっぱいものや香辛料といった辛いものと鉄を含んだ食品とをうまく組み合わせて食べるのも効果的。ただし、胃潰瘍のある人は、症状がさらに悪化する場合もあるので、注意が必要です。
このほか、赤血球の生成に必要なビタミンB12や葉酸などの栄養素も充分に摂るよう心がけましょう。

こんな食品がおすすめ

鉄の多い食品
ヘム鉄
1食分 含有量
豚レバー(80g) 10.4mg
鶏レバー(60g) 5.4mg
わかさぎ(80g) 4.0mg
カキ(70g) 2.5mg
非ヘム鉄
1食分 含有量
干しひじき(10g) 5.5mg
高野豆腐(30g) 2.8mg
ほうれん草(80g) 3.0mg
しじみ(20g) 2.0mg
鉄を含むその他の食品
・あさり
・あさりの佃煮
・はまぐり
・はまぐりの佃煮
・牛ヒレ肉
・煮干し
・かつお
・まぐろの赤身
・納豆
など
葉酸を含むもの
・レバー
・じゃがいも
・ほうれん草
など
ビタミンB12を含むもの
・レバー
・にしん
・カキ
など
ビタミンCを含むもの
・ブロッコリー
・キャベツ
・レモン
など
鉄でできた調理器具を使えば摂取量は増加

鉄を含んだ食品を調理する場合、鉄鍋や鉄のフライパンなど、鉄でできた調理器具を使うと、鉄の摂取量を増やすことができます。これは、調理をしている間に、調理器具から鉄が溶け出すため。しかも、ただ単に炒めるよりは、長時間にわたってじっくり煮込んだ方が、溶け出す鉄の量はよりアップします。その際、トマトなどの酸を含んだ食品を加えれば、鉄が溶けやすくなるので、なお効果的です。

Vol.25

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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