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『疲労』を考える

われわれは日々の仕事や生活の中で「疲労」を感じ、それに悩まされています。「疲労」には「体の疲労」と「心の疲労」がありますが、いずれも身体に影響を及ぼし、日常生活にも支障を来たしています。ライフスタイルや毎日の食生活、睡眠状態、さらには職場などの人間関係などが「疲労」を招く要因ともなっているようですが、今日、いかに「疲労」を防ぐか、いかに「疲労」を取り除くかは、健康な生活を営む上で重要な課題となっています。今回のすこやかネットでは、この「疲労」にスポットを当ててみました。

疲労はなぜ起こるのか!?

では、疲労はどういったメカニズムで発生するのでしょうか。

仕事などをつづけていると、疲れたなぁと感じ、作業能率が落ちてきます。主に眼や筋肉の働きにも変化が現われ、これ以上は無理、ちょっと休みたいといった欲求が起きてきますが、これが疲労という現象なのです。仕事などの結果、体内に変化が起こり、そのままつづけると、へばってしまうので、休みを求めている状態−であり、努力のし過ぎによって起こる危険を避けるため、安全装置が働いた現象といえるのです。

われわれの体には、疲労感を発生させる仕組みが、もともと備わっています。
筋肉や肉体などが過度の活動やストレスを受け止めると、無理をしている状況が脳の中で意識の覚醒や注意力を保つのに重要な働きをしている脳幹網様体(のうかんもうようたい)に伝えられます。そして、この脳幹網様体からその周辺に位置する視床下部や大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)などの中枢神経に、この情報がつぎつぎと伝わります。
さらに、この情報は大脳皮質へも伝えられ、ここで情報が分析されると、視床下部などの中枢神経はその判断に従って、自律神経系をはじめ免疫系などに指令を出し、その結果として、それらの部位に変化を生じさせますが、その変化が疲労の際に感じるさまざまな症状なのです。

体の疲労は、激しい運動を行うなど肉体的に活動し過ぎたり、筋肉や内臓に無理をさせたりしたことが脳に伝わって返ってきた反応であり、つまりこれは体の機能の低下なのです。例えば、重い荷物ばかり運んでいると、筋肉から脳、脳から筋肉へと情報がフィードバックされ、使い過ぎた腰に痛みが起こり機能が低下します。疲れているところがわかりやすい疲労感なのですが、疲労の原因と結果の関係がわかりにくい症状を現わすことも、しばしば見られます。

また疲労感という症状は、病院で精密検査を受けても異常なしと判断されることも多く見られます。例えば、呼吸が苦しいのに肺は悪くなかったとか、動悸がするのに心臓は悪くなかったといったケースです。
これは体から発せられる疲労の情報が脳からフィードバックされる時に、命令を受けた自律神経系が疲れを起こした場所だけでなく、心臓の動きや体温、呼吸などにも異常を現わしてしまうからなのです。したがって呼吸が苦しいからといって精密検査を受けても、肺には異常が見られないということになってしまうのです。こうした症状を改善するには、根本的に疲労を解消させるしか方法はないといえます。

疲労の現われ方やメカニズムはきわめて複雑とされていますが、疲労という生命現象が現われてくる原因としては、主につぎのような考えが知られています。

[有毒物質の蓄積によって疲労が起こる]
ある特種な物質が体内に蓄積された結果として疲労が起こります。疲労を起こす物質として、乳酸などの筋肉の収縮を抑える物質やその他の代謝産物が指摘されています。
[エネルギー源の消耗によって疲労が起こる]
筋肉の活動にも精神的な活動にも必要なエネルギー源の消耗によって疲労が起こります。例えば、激しいスポーツなどで筋肉中のグリコーゲンが使われ、蓄えが少なくなると筋肉疲労が起こるという考えからきています。
[体の内部環境の失調によって疲労が起こる]
人間の体には、ホメオスタシス(恒常性維持機能)という常に一定の状態に保とうとする働きがあります。外部や内部から精神的、肉体的に強い刺激を受けると、この働きが崩れ疲労が起こります。暑さや寒さ、さらには睡眠不足、不安などの刺激(ストレス)が体に耐えきれないほど強くなります。

こうした原因が全体として重なりあって、疲労を招いているといえましょう。

やる気が起きない、怒りっぽくなる…初期症状を見過ごすな

疲労の症状は、その進行具合(疲労の蓄積状態)によって現われる症状も異なってきます。
例えば、疲労の初期の段階では、怒りっぽくなる、単純ミスやど忘れが増える、朝起きた時にシャキッとしない、やる気が起きない、いつも体が重く感じる−などの症状が現われてきます。
この段階では、まだ日常的によくあること、ちょっと疲れたかなぁといった程度の認識で、特に疲れを解消しようと考えたりしないケースが多いようですが、これらの症状は疲労の注意警報。この初期の段階から日々の疲れを解消することを心がけていれば、深刻な疲労状態に至ることは避けられるのです。
それを放置し、疲労の蓄積が中期から末期に至ると、頭痛や首・肩のこり、耳鳴り、動悸やめまい、呼吸苦などの身体症状が現われ、精神面にも大きなダメージをもたらし、うつ病などを招いてしまうのです。

疲労が引き金となる病気
  • ・高血庄、心臓病
  • ・自律神経失調症
  • ・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • ・ノイローゼ
  • ・うつ病
  • ・パニック症候群など
情報提供:(株)家庭薬新聞社

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