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完全栄養食品 牛乳の基礎知識

はるか悠久の昔から世界各地で人々の食生活と深く関わり合い、日本では明治に入ってから急速に普及した『牛乳』。今日では完全栄養食品とも呼ばれ、学校給食のメニューに必ず登場するなど、現代人の食生活に深く浸透しています。牛乳は良質なタンパク質や脂質、カルシウム等が豊富で、栄養価が高いことから、健康維持には不可欠な食材です。

牛乳に含まれる栄蓄素

牛乳と言えば、カルシウムばかりが注目されますが、良質のタンパク質や脂肪、乳糖、ビタミン、さらにはカルシウム以外のミネラルも豊富に含まれています。これらの成分はお互いが相乗効果を発揮することで、老化防止、肌を若返らせるなどの効果があります。

タンパク質

牛乳は88.2%の水分と約11.8%の乳固形分からなっています。乳固形分はタンパク質、糖質、ミネラル、ビタミンを含む8.3%の無脂乳固形分と3.5%の乳脂肪分に分けられます。

牛乳にはとても良質なタンパク質が豊富に含まれています。良質な理由は、体の中では合成されない必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸がバランスよく構成されているからです。タンパク質は血や肉、骨、皮膚、髪の毛に至る、あらゆる細胞をつくる大切な栄養素ですが、ホルモンの産生や免疫物質などにも関わっています。またタンパク質の一種であるクルタミン酸は頭の働きをよくする物質を作り出しています。

牛乳には約3.0%のタンパク質が含まれ、これはカゼインと乳清タンパク質に分けられます。カゼインはリン酸カルシウムとともに「カゼインミセル」を構成し、微細粒子として牛乳の中に散らばり、牛乳の白さの素になっています。ミセルが胃や腸で固まるという習性を持っているため、カゼインはそこでゆっくりと分解され、完全に吸収されるのです。また、この消化過程でできるカゼインホルスペプチドは、小腸下部でのカルシウムの吸収を助けます。ちなみにカゼインを固めたものがチーズです。

乳清タンパク質の中には、貧血の予防改善効果や免疫力を高める効果を持つラクトフェリン等が含まれています。

脂質

脂質は牛乳の約3.5%を占め、牛乳の中で、脂肪球という小さな粒子の1つとなって浮かび、白さの理由の1つとなっています。脂肪球は1ml中に26〜60億個も分散しており、そのため脂肪分解酵素が有利に働いて、消化吸収率が97%と高いのです。脂質はエネルギー源として元気の素になりますが、その構成要素は体のすべての細胞やホルモン、胆汁酸などに必要です。またビタミンA・D・Eの吸収や貯蔵、神経の働きにも深く関わっています。

脂肪球はトリグリセリドという脂肪を内側に、リン脂質、コレステロール、脂溶性ビタミン等を表面に持ち、その周りをタンパク質を主成分とする膜が包むという構造になっています。この膜があることで、脂肪球同士はくっつかず、牛乳の中で、細かく分散して浮遊し、脂肪球の表面積を大きくしています。この大きな表面積が消化酵素の作用を受けやすくし、消化吸収率を高めているのです。

なお、牛乳の脂肪は動物性なので「たくさん飲むとコレステロールが心配だ」という人がいます。しかし牛乳に含まれるコレステロールは脂肪全体の0.3%に過ぎません。人間の体には100g程度のコレステロールがあり、毎日、0.5〜2gのコレステロールが排出されています。たとえ、牛乳を毎日200ml飲 んだとしても、0.02mgのコレステロールしか取り込まれません。この量はコレステロール値にほとんど影響がないといってもよいでしょう。

ビタミン

牛乳に多く含まれる主なビタミンはビタミンAとビタミンB2です。ビタミンAには2つの形があり、1つはレチノールで、これは子供の成長を促進し、目の健康を維持するのに必要です。もう1つはベータカロテンで、これは組織の損傷を保護するのを助ける特性を持っています。

成長ビタミンとも呼ばれるビタミンB2は、牛乳200ml 中に約0.2mg含まれており、ビタミンB2の供給源として優れた食品といえます。またDNA(遺伝子)の核酸合成に関係しているとされるビタミンB12については、1日所要量の半分から4分の1を牛乳から摂取することができます。このほかビタミンB1、B6等も含まれています。

ミネラル

牛乳に含まれるミネラルにはカルシウムをはじめ、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等があります。ミネラルは神経伝達、体液のpH維持、筋肉の収縮など体内での重要な働きを担っています。

糖質

牛乳の固形成分の中で最も多いのが糖質で、その大部分が乳糖です。乳糖は哺乳動物の乳に特有のもので、幼児期の脳細胞の発達には欠かすことができません。乳糖はグルコース(ブドウ糖)とガラクトースの2種類で、小腸上皮に存在する乳糖分解酵素・ラクターゼによりグルコースとガラクトースに分解されると同時に吸収されて、重要なエネルギー源となる一方、腸内環境を整える働きを持つ善玉菌のエサともなります。また腸管でのカルシウムや鉄分の吸収を促進する働きもあります。さらにガラクトースは乳児の脳や神経細胞の発達に必要な成分の1つです。

カルシウム

牛乳といえば、子供の飲み物というイメージがあります。それは牛乳に含まれるカルシウムが成長過程にある子供の骨格形成に役立つからです。そのため学校給食が始まった当初から毎日、必ず牛乳が出ているのです。

しかし最近は、牛乳はカルシウムなどが豊富に含まれていることから子供だけでなく、大人や高齢者にも大きな効果があるといわれるようになりました。カルシウムが不足すると高血圧、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病、骨粗鬆症などを引き起こす原因となります。

1日に必要なカルシウム量は成人で600〜700mg、乳児で500mg、小学生600〜700mg、中学生で700〜900mgです。日本人の場合、これまでは魚介類や海藻、野菜からカルシウムを摂取してきました。しかし、ファーストフードやジャンクフードの増えた現代の食生活ではどうしても不足してしまいます。そこで、注日されるのが牛乳・乳製品です。

カルシウムは消化吸収が悪いとされていますが、牛乳のカルシウムは他の食品のカルシウムよりかなり吸収率が高いです。体内でのカルシウムの吸収率を調べると、牛乳40%、野菜19%、小魚33%と牛乳が最も高くなっています。

それではなぜ牛乳のカルシウムは体に吸収されやすいのでしょうか。牛乳に含まれる乳糖はゆっくりと分解吸収されることで、腸内バランスを整え、カルシウムの吸収を促進するためです。また「カゼイン」という良質のタンパク質は、消化される途中で、「カゼインホルスペプチド」となって、やはりカルシウムの吸収を促進するのです。このような二重の構造で牛乳カルシウムは高い吸収率を示すと考えられています。

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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