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Vol.5 食生活をより豊かに 食べ合わせを考える

昔から「バランスのよい食事を取りましょう」とよく言われます。それはバランスが取れた食事を心がけることによって、体に必要な栄養素を万遍なく取り入れることができるからです。体内に入った栄養素は、お互いに助け合いながら、その役割を果たしますが、実はそれぞれの食品に相性があり、うまく組み合わせて、バランスよく栄養素を取り入れれば、それぞれが持つ力以上の効果が得られることになります。しかし反対に食品の相性が悪いと、胃腸障害や消化不良など逆効果を招くこともあります。そこで今回は、食べ合わせについて特集しました。

相乗効果を高める代表的な相性の良い食べ合わせ

豆腐+ワカメ

大豆からつくられる豆腐は植物性タンパク質やビタミン、ミネラルを豊富に含み、大豆そのものよりも体内に吸収されやすいといいます。豆腐に含まれる栄養素としてはレシチン(脳細胞活性化、美肌効果)、ビタミンE(抗酸化作用)、サポニン(コレステロール値低下)が知られています。ただし、この中のサポニンは取り過ぎると体内のヨードも排泄するという欠点があります。ヨードは甲状腺ホルモンのチロキシンを作り、これが不足すると感覚や運動神経が鈍るとされ、ひどくなるとパセドウ病等にもかかるとされています。

そこでワカメがお勧め。ワカメにはヨードが豊富に含まれており、サポニンの取り過ぎによる弊害を防いでくれます。またワカメで特に注目すべき点はカルシウム等のミネラルをそのまま残してナトリウムだけを体外に排泄し、塩分の害を減らすアルギン酸を含んでいることです。このため塩分の多い昧噌汁にワカメをたっぷりと入れることは非常に相性の良い組み合わせといえます。

豚肉+タマネギ・ニンニク

豚肉には新陳代謝の促進や疲労回復に役立つビタミンB1が豊富に含まれていますが、ビタミンB1にはストレスを感じると尿中に排泄されるという欠点があります。その点、タマネギやニンニクに含まれるアリル化合物はビタミンB1と結合して、ビタミンB1単独の時よりも安定して代謝を行うことから、相性が良いとされています。

ビール+枝豆

ビールに枝豆とくれば、これはもう夏の風物詩的存在。枝豆は栄養価が高く、ビタミンB1、B2、C等のいろいろな成分が含まれていますが、中でも肝臓をアルコールの害から守ってくれるメチオニンが含まれていることから、まさに理に適った組み合わせといえます。

ご飯+納豆

日本人の主食である米は炭水化物、つまり糖質が多く含まれ、エネルギー源として利用されています。糖質をエネルギーにするには酵素を使って糖質を分解しますが、酵素が働くには補酵素の助けが必要になります。ビタミンB1は糖質を分解する酵素の、補酵素としての役割を果たしており、ご飯だけを食べているとビタミンB1不足になってしまいます。そこで納豆がお勧め。

納豆の注目すべき点は、原料の大豆が持っている栄養素がほとんど損なわれていない上に、タンパク質などの消化吸収が非常に良く、しかもビタミンB類等が大豆よりも増えていることです。特にビタミンB2やパントテン酸がたっぷりと含まれており、ともに腸から吸収された糖質の代謝や排泄を助けます。つまり、これらの栄養分は糖質の代謝・吸収をコントロールすることで、不足しているビタミンB1の消費を抑えてくれるのです。

最近、納豆といえばネバネバに含まれるナットウキナーゼという酵素が血管の詰まりの原因となる血栓を溶かす働きがあるということから、新たな角度で注目を集めています。

カレーライス+リンゴ

日本ではカレーライスに肉やタマネギ、ジャガイモ、ニンジンを入れ、人によってはナス、カボチャ、トマト等を加える場合もあり、栄養がたっぷりと含まれ、特に育ち盛りの子供には最高のごちそうです。しかしカレーライスは脂っこい上に、塩分や糖質(デンプン)が非常に多く含まれています。脂っこさの元である脂肪や塩分については、具のタマネギ、ニンジン、ジャガイモの中に含まれている食物繊維やカリウム、グリシリン等によって、排泄・分解されるので、それほど問題はありませんが、糖質については問題が残ります。糖質は体内に入るとグルコースになり、グリコーゲンとして肝臓に貯えられます。しかし貯蔵量にも限界があり、余ったグルコースは中性脂肪となって血液を通じ体内を巡ります。

そこでリンゴが登場します。リンゴに含まれる水溶性の繊維・ペクチンと糖質の代謝について注目されています。ペクチンは粘度が高く、リンゴジャム等のドロドロはペクチンの働きによるものです。ペクチンによって粘度が高まった食物は、胃から腸への移動が緩慢になり、糖質等の栄養素の吸収がじっくりと行われるため、食後に急激に血糖が上がるのを抑え、また糖と結合して、糖の吸収速度そのものを緩やかにしてくれるのです。

焼き魚・焼き肉+大根おろし

大根にはジアスターゼというデンプンを分解する酵素が含まれているので、ご飯などと一緒に食べると消化が良くなります。

特にサンマ等の焼き魚に大根おろしが添えてあるのは、焦げた部分にある発ガン物質を、大根おろしに含まれるビタミンCで中和する作用があるためとされています。ただしビ

タミンCは熱に弱く、時間が経つと失われやすいので、酢を加えると良いです。

また大根おろしは血液をサラサラにする働きがあるとされていることから、肉類などの脂っこいものと一緒に取りたいものです。その代表例はおろし焼き肉です。このほか大根おろしに小魚を和えることでカルシウムの吸収が高まるとされます。

刺し身+シソの葉・ワサビ・大根の千切り

刺し身などの生魚は食中毒を引き起こす菌が発生する危険があります。シソの葉やワサビ、大根の千切りには食中毒防止の働きがあり、しかも生臭さを和らげるので、付け合わせとして最適です。またいずれも胃の働きを高め、消化を助ける働きもあります。

キュウリ+酢

キュウリはビタミンA・C、血圧調整や利尿作用があるカリウム等のミネラル類を比較的多く含んでいます。またキュウリに含まれるククルビタミンCという成分に体の腫瘍や潰瘍を治す働きがあることから、中国では漢方薬として利用しています。

しかしキュウリにはアスコルビナーゼという酵素が含まれており、これはビタミンCを破壊してしまう困った一面もあります。そこでアスコルビナーゼの働きを無害化してくれるのが酢の働きというわけです。酢には殺菌作用や食欲増進作用があることが知られていますが、アスコルビナーゼのビタミンCを破壊してしまう働きを抑えるのも調味料として見逃せない、一つの特長です。

寿司+ガリ(甘酢ショウガ)

寿司の片隅に付いてくるガリには殺菌作用があります。その効果で寿司ネタとなる生魚の毒を消し、食中毒を予防してくれるほか、胃の働きを助け、消化を促進してくれます。またガリはトロやサス等の脂っこいものを食べたあとに、口直しとして食べれば、口の中がさっぱりとします。

肉料理+パイナップル

パイナップルと言えば、そのまま食べたり、缶詰に加工されたものを食べるというイメージがありますが、時々、中華料理の酢豚の中にパイナップルが入っているのを見かけることがあります。これにはちゃんとした理由があるのです。パイナップルにはブロメリンと呼ばれるタンパク質を分解する酵素が含まれており、これは肉類を柔らかくして、消化を良くする働きがあります。その効果は、パイナップルの芯や皮の上に調理前の硬いスジ肉を乗せると、柔らかくなるというくらいです。

カキ+レモン

カキはビタミンB群やカルシウム、亜鉛等のミネラルが多く含まれ、非常に栄養価の高い食材です。しかし水分が高い上に、タンパク質、脂肪、グリコーゲン等が多く、しかも酸・アルカリ度が中性であることから、パイ菌が繁殖しやすい条件が整っており、生ガキを食べる場合は特に注意が必要です。そこでレモン汁をかけると、カキは酸性となり、パイ菌が繁殖できなくなって、カキの鮮度が維持されるわけです。またレモンに含まれるクエン酸はカキの中の鉄分と結合し、吸収されやすい形になり、しかもレモンに含まれるビタミンCは鉄分の腸への吸収を高めることも明らかになっています。

漬物+豆腐

漬物はおいしいものですが、塩分が多いのが欠点です。そこで漬物を食べる時には豆腐やトマト、スイカ、リンゴなどカリウムの多い食べ物を同時に食べましょう。カリウムには塩分を体外に排泄する働きがあります。

ほうれん草+ゴマ

ほうれん草のゴマ和え、ゴマをたっぷりかけたほうれん草のお浸しなど、ほうれん草とゴマを使った料理は多いものです。ビタミンやミネラルが豊富なほうれん草と、悪玉コレステロールを排除するタンパク質や植物性脂肪を多く含むゴマーこの組み合わせは高血圧や動脈硬化に良いとされています。ほうれん草はさまざまな栄養素を含んだ食品として知られていますが、結石の原因となるシュウ酸という物質が含まれている欠点があります。その点、ゴマには結石を防ぐリジンという成分が多く含まれていることから、この組み合わせが抜群なのです。

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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