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Vol.4 たかが水、されど水 水と人間の関係

日本は年間の降水量が世界平均の2倍近くあり、非常に水に恵まれた国といえます。そのため、水は蛇口をひねればいつでも使え、飲料水に困ることもほとんどありません。しかし近年では、国内をはじめ世界各国の天然水を使用した「・・の水」や「・・の名水」といった、いわゆる「ミネラルウォーター」が当たり前のように店頭で販売されるようになりました。
ミネラルウォーターは、1980年代に入り、日本で初めて大々的に発売されたのですが、その後、順調に売上を伸ばし、最近では国民1人当たりのミネラルウォーターの年間消費量は約20リットルと10年前の約3倍以上となっており、特に大都市ではミネラルウォーターの利用が一般的になっています。このような背景には、水道水の塩素の匂いなどの問題とともに、どうせ飲むのであればより健康に良い成分を多く含む水を飲用したい、という願望も少なからずあるようです。
毎日必ず利用するものだからこそ、もう一度考えて見たい「水」。今回のすこやかネットでは、この水についてスポットを当ててみようと思います。

水の循環

水は、気体(水蒸気)、液体(水)、固体(氷)と変化して海・空・陸を駆け巡っています。

すなわち、太陽のエネルギーによって蒸発し、水蒸気となって空に舞い上がるとやがて雲になり、雲から雨や雪へと形態を変えて地上(陸)に降り注ぎ、地上に降り注いだ雨や雪の一部は川や地下水に流れ込み、そして、時間を経て海へと返っていきます。これが、いわゆる「水の循環」と呼ばれるものです。

この水の循環の中で、特に大切なのは海です。地表の約70%を占めるといわれる海があることで、われわれは「水」を得ることができているのです。

また、水の循環には、水の硬度、ミネラル分についても深い関わりがあります。それは、水が地下水に流れ込む際、さまざまな地層を通り、ろ過されることがその理由。このろ過の違いによって水に特色が加わるのですが、それは、ろ過される時間に関係があります。

火山地帯で低い山が多く、川の流れの速い日本と、高い山が多く、川の流れの遅いヨーロッパとではその水の性質に大きな違いが生まれてきます。これこそが、先ほど述べたろ過される時間の差によるものなのです。大きな違いとしては、含まれるミネラル分に現われてきます。早く流れる所はミネラル分が少なく、遅く流れる所は逆に多くなるのです。

水の循環において大きな役割を果たしている海。その海水の成分は人間の血液とよく似た構造で成り立っています。この辺から、海水・水を地球の「血液」と表現することもあります。

これに加えて、水の循環のサイクルと血液の循環サイクルには、似ているところがあります。それは、地表の汚れを流し、海に辿り着いて浄化する−という一連の流れと、人間の体内で、血液が運ぶ二酸化炭素や酸素の循環という一連の流れに現れています。

こうしてみると、水の循環とは、生命を司るサイクルと捉えることもできるかもしれません。

水の美味しさの条件とは?

硬水と軟水

水の美味しさを決定づける要素にはどのようなものがあるのでしょうか。それには実際、さまざまなものがあるのですが、その中でも特に「硬度」に注目してみました。

一般的に、硬水や軟水と呼ばれるのは、この硬度という尺度によって分類されたものなのです。

硬度は、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルの含有量の違いによって分類されます。WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは、硬度を次のように分類しています。

【軟水】
硬度=0〜60mg/L未満
【中程度の軟水】
硬度=60〜120mg/L未満
【硬水】
硬度=120〜180mg/L未満
【高度の硬水】
硬度=180mg/L以上
【硬度の計算方法 (アメリカ硬度計算式)】
硬度=(カルシウム量×2.5) +(マグネシウム量×4)

この分類は炭酸カルシウムが1リットル中に含まれている量をmgで示したものです。すなわち、ミネラルが少ない水を軟水、多い水を硬水と分類しているのです。

さらに硬度の単位には世界で2種類が用いられており、1つはアメリカ硬度 (ppm)、もう一つはドイツ硬度(dH)で、一ppmは約0.056dHとなります。日本ではアメリカ硬度を用いています。

日本の水はほとんどが硬度20〜60程度の軟水で占められており、日本人の多くは軟水を好むといわれています。ちなみにヨーロッパ地方は硬水が主流です。

また、硬水と軟水にはそれぞれの特性を活かした利用方法があり、その辺については次のとおりです。

【軟水】
・肌や髪の保湿性が高まる
・炊飯、出汁
・緑茶・紅茶
・洗濯(泡立ちがよくなる)
【硬水】
・スポーツ後や妊娠中の不足したミネラル補給に
・便秘解消
・食器などの油汚れ
・肉料理

これらはほんの一例に過ぎませんが、中には、水の使用法を間違えると人体に有害な影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。(例…乳幼児に飲ませるミルクを高度の硬水で作ると腎臓に負担がかかる)

●その他
  • 温度…一般的に15℃前後が一番美味しいと感じます。
  • イオン濃度…イオン濃度、すなわち、酸性かアルカリ性かということですが、水が美味しいと感じるイオン濃度はほぼ中性となります。
  • 塩素…いわゆる「カルキ臭さ」と呼ばれるものの原因ですが、この塩素を取り除くことで水を美味しくすることができます。
  • 鉄分、有機物…これらも塩素と同じく、水の性質を劣化させるものなので取り除くことにより、水を美味しくすることができます。
●補足

このように水の美味しい条件はさまざまなものがありますが、水が美味しいということは、健康にもよいということがいえます。水の人体に及ぼす影響は前述しましたが、きれいな水、美味しい水はまさしく、天然の健康食品なのです。現在、姿を消しつつある井戸水や湧き水がこれらの条件を満たしていることにも注目したいものです。

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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