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Vol.4 たかが水、されど水 水と人間の関係

日本は年間の降水量が世界平均の2倍近くあり、非常に水に恵まれた国といえます。そのため、水は蛇口をひねればいつでも使え、飲料水に困ることもほとんどありません。しかし近年では、国内をはじめ世界各国の天然水を使用した「・・の水」や「・・の名水」といった、いわゆる「ミネラルウォーター」が当たり前のように店頭で販売されるようになりました。
ミネラルウォーターは、1980年代に入り、日本で初めて大々的に発売されたのですが、その後、順調に売上を伸ばし、最近では国民1人当たりのミネラルウォーターの年間消費量は約20リットルと10年前の約3倍以上となっており、特に大都市ではミネラルウォーターの利用が一般的になっています。このような背景には、水道水の塩素の匂いなどの問題とともに、どうせ飲むのであればより健康に良い成分を多く含む水を飲用したい、という願望も少なからずあるようです。
毎日必ず利用するものだからこそ、もう一度考えて見たい「水」。今回のすこやかネットでは、この水についてスポットを当ててみようと思います。

水に秘められた健康パワー

血管腔疾患とは……

血管は、身体のすみずみへ酸素や栄養を運び、体内に溜まった老廃物を運び出す生命活動のパイプ役を担っています。しかし、この大切な血管も加齢とともに老化していきます。血管壁には脂質などの不純物が徐々に溜まり、血管内がだんだん狭くなっていくのです。これが日に見えない部分での血管性疾患のはじまりとなるわけです。

血管性疾患とは、血管の中で血栓といわれる血液の固まりが引き起こす症状のこと。血栓は、フィブリノーゲン(繊維素原)というタンパク質が活性化されたフィブリン(繊維素)を主とした固まりで、血小板、白血球などが血管の内壁に固まり、それが血流によってはがれてできます。

身体が正常な時には、この血栓の素となるフィブリンを溶かす働きをする線溶酵素が血栓を予防してくれますが、線溶酵素が不充分になるとフィブリンを溶解できなくなってしまいます。するとスムーズな血流を阻害する血栓が増え、この血栓が毛細血管に入り込むと、血管にフタをして血流を止めてしまい、脳ならば脳梗塞、心臓ならば心筋梗塞を引き起こしてしまうのです。

水は血液をサラサラに

血液の80%は水分です。そのために水と血液には深い関係があり、濃くなったり、薄くなったり、常に変動する血液の濃度を適度に保つ働きをしているのが水なのです。

脳梗塞や心筋梗塞といった血管が詰まる病気は、水分不足も原因の1つ。体内が適度な水分で満たされていない場合、血液中の水分が減り濃縮されてしまっても、これを補うことができません。そのため血行が阻害され、血栓ができやすくなり、重大な結果を招いてしまうのです。

脳梗塞などが早朝から午前中にかけて多いのは、睡眠中は水分補給がなく、午前4時〜8時にかけて血液の粘度が最も高くなるからともいわれています。血栓の心配がある人は特に、睡眠前には水を飲み、夜中にトイレに起きた際も水を飲むように心がけた方がよいでしょう。

全身の細胞にくまなく栄養が行き届くようにするためにも、水を充分に飲み、血液をサラサラの状態にしておくことが必要です。

水で身体の中まできれいに掃除

体内には老廃物とともに食品添加物、大気汚染物質といった有害物質などが知らない間に蓄積されています。そのため常に体液の循環を活発にして身体をクリーンな状態に保つことが大切です。そして、その役目、つまり体内の掃除を引き受けてくれるのが水なのです。

例えば、老化により腎臓の機能が衰えると、尿の中に老廃物などのゴミを充分に溶かし出すことができなくなってしまいます。しかし、水を飲むことは尿の回数を増やすことになり、結果、溶け切らなかったゴミを排出することにつながるのです。

また水を飲むことで汗をかきやすくなり、血液や内臓を刺激して新陳代謝を促し、老廃物を効率よく体外へと排出します。水を飲むだけで腎臓結石や膀胱ガンになりにくいという報告もあり、きれいな身体は充分な水分補給からともいえるでしょう。

痩せたいなら水を飲もう

ダイエットをしている人は水を飲むことさえも「水太りになる」といって気にしますが、これは大きな間違いです。ただの水ならば、それだけで太ることはありません。

つい食欲に負けてしまう人は「食べたい」と思った時に一杯の水を飲むとよいでしょう。こうすることにより、胃液が薄まって胃の中の酸性度が下がるので、脳が満腹状態だと勘違いし、空腹を感じなくなります。

またダイエットなどで身体を動かしている時も水分の摂取は大切です。一昔前まで、スポーツの世界では、「運動中の水分補給は極力控えた方がよい」という考え方が主流でしたが、今ではこれが変わってきています。運動による発汗で失った水分を補うとともに、汗で失ったミネラルの補給が重要だと考えられるようになったからです。

イライラや緊張を水が解消

イライラや緊張感が原因で寝つけない時など、水を飲むと気持ちがスッと落ち着くことは科学的にも証明されています。ベッドに入る30分〜1時間前に飲む水は、脳に上がりがちな血液を胃腸に引き下げ、精神を安定させてくれます。

また水を飲用するわけではないのですが、プールや温泉に入ることも筋肉の緊張をほぐすため、身体の芯からリラックスできます。

水とミネラル

水に含まれる主なミネラルの働き

成分 働き 欠乏すると
カルシウム 骨や歯を強くし、骨粗鬆症を防ぐ
精神を安定させ、不眠症を解消する
骨粗鬆症、イライラ、高血圧
カリウム 体液の濃度を調節する
血圧を下げる効果もある
腎臓疾患、高血圧
ナトリウム 体液の量やpH調節、筋肉の収縮と密接な関係を持つ 疲労、食欲不振
マグネシウム カルシウムの代謝を促す
ミネラルバランスを保つ
精神系、循環器系の疾患

本来、純粋な水は無味、無臭、無色透明の液体ですが、水には数多く取の物質を多量に溶かすことができるという特徴があるため、天然には純粋な水がほとんど存在しません。

水は、水蒸気となり大気中をさまよったり、川や地下水として地球上を循環する間に、さまざまな有機物等とともにミネラルを溶かしていくのです。

水に含まれるミネラルは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど人間の身体に必要不可欠なものばかりです。そしてミネラルは骨や歯を作る素材であると同時に、細胞の中で各種の化学反応を進める酵素の中心となる元素でもあります。

これらの酵素は、ミネラルが中心となり、タンパク質がそれを取り囲むような形をしています。ちなみにマグネシウムが関わっている酵素は、分かっているだけでも300種類を超えるといわれています。

水はミネラルの供給源としても大きな存在で、1日のカルシウム摂取量の約2割は飲料水から供給されています。しかし、日本の水は欧米の水に比べてミネラルが少量しか含まれていない、いわゆる軟水がほとんどです。軟水はクセがなく味はいいのですが、ミネラルが少ないために、日本人は潜在的にミネラル不足になりがちです。

またミネラルの各成分はそれぞれ協力し合って働いているため、例えば、カルシウムだけを大量に摂るとマグネシウムの排出が促進されてしまうなど、1種類だけを大量に摂取すると、逆に身体に害を与えることもあります。そして、こうしたミネラルバランスの崩れがアトピーなどのアレルギーの一因ともいわれています。偏りがちな現代の食生活において、サプリメント等とともに、ミネラルウォーターで不足分を補うことが大切です。

情報提供:(株)家庭薬新聞社

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