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Vol.3 ガンに匹敵する死因「血栓症」の引き金 「血液ドロドロ」に要注意!

日本人の3大死因と言えば、悪性新生物(ガン)、心疾患、脳血管疾患が挙げられますが、そのうち心疾患の約9割を占める心筋梗塞と、脳血管疾患で増加傾向にあるとされる脳梗塞は、血管内で血液の塊が生じることで血流が止まってしまう「血栓症」が引き起こすものであり、統計的にはガンに匹敵する死因とされています。この血栓症を誘発するのが、最近、話題となっている「血液ドロドロ」。食べ過ぎ・飲み過ぎ、運動不足、そしてストレスといった生活習慣の乱れから、血液の汚れや血流の滞りに活性酸素の弊害が加わって引き起こされるものですが、特にコレステロールや中性脂肪値が気になる中高年層が増加傾向にある中、場合によっては突然死を招きかねない恐ろしい疾病だけに充分な注意が必要。ただし、日常の生活態度に気をつければ、予防・改善できる病気でもありますので、その辺の対策をしっかり頭に入れて実践することが肝要です。

動脈硬化と血栓症

高脂血症は動脈硬化の最も重要な危険因子とされ、脳血管疾患、心疾患など生命を脅かす疾病と大きな係わりがあることはよく知られています。その動脈硬化の中でも、血栓症と深く関わり合うのが「粥状動脈硬化」です。

いわゆる「悪玉」と称されるLDLコレステロールが血液中には多く存在し、血流が悪く溜まった状態になると、活性酸素の影響を受けて酸化が進みやすくなりますが、こうして変化を遂げた「酸化LDL」は動脈内の血管壁に傷をつけて付着し、そこへまた別のLDLの侵入が増えることにより、さらに酸化を促し、溜まりこんでしまうという悪循環を招いてしまいます。

こうなると、体の防御反応として組織内で不要な異物を取り込む掃除屋・マクロファージ(貪食細胞)が登場し、変性したLDLを際限なく食べ尽くしていくわけですが、すると今度はマクロファージが細胞内に泡のブツブツが見える「泡沫細胞」に変化してしまい、やがて血管壁に居座って、よそから平滑筋細胞などを呼び込んで厚くて硬い結合組織を形成することになります。これが動脈自体の弾力性を奪ってしまうのです。

そして、血管壁のひび割れに気づいた血小板が、その修復と止血のために寄り集まってくると血の塊、つまり「血栓」が生じます。 こうした変化がつづくと、動脈の内膜にはお粥状のドロドロとした塊ができてしまうわけで、これを「粥腫=じゃくしゅ(アテローム)」と呼んでいます。この粥腫によって動脈の内側の壁は次第に盛り上がっていき、その部分に血液中のカルシウムが沈着して石灰化し、動脈硬化が進行してもろくなっていくのです。

この時、中性脂肪が多く血流の悪いドロドロした血液であればあるほど、血栓ができやすい状態になるのです。

アルコールの飲み過ぎに注意
高中性脂肪値が危険性高める

特に、血液中の中性脂肪が多くなると、通常、それに反比例するかのように通称「善玉」のHDLコレステロールの減少を招くことになります。さらにLDLコレステロールを小型化させ、酸化されやすい状態にしますので、より動脈硬化に拍車をかけることになります。

実際、中性脂肪値の高い人は、コレステロール値も高い場合が多く、動脈硬化の危険性も高まるばかり。中性脂肪値の低下が重要なポイントとなるようです。

中性脂肪値が高くなる要因としては、第一に挙げられるのがお菓子、果物、ジュース類や、脂肪分の多い食物の取り過ぎ、アルコールの飲み過ぎ、そして食事自体の量が多いこと、運動不足などが挙げられます。このため、必要以上に中性脂肪が脂肪細胞に取り込まれて肥満を招くほか、肝臓に溜まれば脂肪肝を引き起こすので、何事も適量を心がけることが大事です。

そしてLDLの酸化、凶暴化を招く過度の活性酸素の発生を促すストレスやタバコが悪影響を及ぼすことはいうまでもありません。

血栓ができるまで
[1]血小板は普段、血液中に浮遊している。
[2]血管に傷ができると集まってくる。
[3]液が固まり傷をふさぎにくる。(血栓の誕生)
[4]血栓がはがれて体内を浮遊する。
[5]脳血管がつまると脳梗塞に
 心臓血管がつまると心筋梗塞に

楽しい旅が一転して… 「エコノミークラス症候群」とは

長旅で長時間、飛行機に乗っていた人が「エコノミークラス症候群」のため、急に呼吸困難に陥って亡くなってしまった…。こんなショッキングなニュースを覚えている方も多いかと思いますが、これは「深部静脈血栓症」という病気の一種。飛行機に限らず、乗り物の中で長時間にわたって足を動かさずに座ったままでいると、脚部の奥にある静脈に血の塊ができることがまれにありますが、その血栓が何かの拍子に血流に乗って肺へ入り込み、肺の血管を塞いでしまう「肺塞栓」を引き起こすものです。

当初、航空機内の「エコノミークラス」の旅客から報告されたため、その名前で知られるようになりましたが、実際は座席のクラスに関係なく、また航空機以外の交通機関や劇場、さらに手術後長期間入院している患者など、一定の姿勢のまま長時間動かない状態にいることで、同様の危険性があるとされています。

特に下肢静脈瘤、下肢の手術、けが、悪性腫瘍、深部静脈血栓症(既往)、凝固能異常肥満、経口避妊薬の使用、妊娠中、出産後の人は要注意といいます。

その予防策としては、

  • ・長期間、乗り物に着席している時は足を組まず、積極的に動かすようにする
  • ・時々深呼吸を行う
  • ・適度な水分を取る。ただし、アルコールの飲み過ぎは注意
  • ・ゆったりと、リラックスできる服装で
 ‐ などが挙げられます。

血栓症が引き起こす病気

心筋梗塞
動脈硬化が起こす心臓疾患のうち、血栓が血管を塞いで血流を完全に止めてしまうものが「心筋梗塞」です。動脈硬化で狭くなった血管の内部は血栓ができやすく、それが詰まったり、血栓部分がはがれてその先が塞がってしまうことで発症します。
こうして血流が途絶えてしまうと、心筋に必要な栄養素や酸素が行き渡らなくなるため、心筋細胞が部分的に壊死を起こしてしまい、詰まった場所と程度によっては、心停止して死亡することもあります。
脳梗塞
いわゆる脳卒中と呼ばれる脳血管疾患には、脳の中の血管が破れる脳内出血と脳の表面の血管が破れるくも膜下出血、そして脳の血管を血栓で塞いでしまう脳梗塞に分類されます。
このうち高脂血症があると起こりやすいのが「脳梗塞」ですが、脳血管にできた血栓が血管を塞ぐ「脳血栓」と、頚動脈や心臓、大動脈などにできた血栓がはがれて脳血管で詰まり塞いでしまう「脳塞栓」の2種類に分かれます。
いずれも高血圧のため、脳の動脈硬化が進んで血管が細くなっていると起こるものですが、高脂血症も重大な影響を及ぼすものといえます。
最近では脳梗塞で死亡する例も少なくなったようですが、症状の度合いや発生した箇所によっては、運動機能や知的能力などで後遺症をもたらす危険性があります。早期発見のため、特に高血圧の人は日頃から発作症状に充分注意する必要があります。発見が早ければ、早急に適切な処置を講じることができます。
情報提供:(株)家庭薬新聞社

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